災害時のインターネット

本日、東北地方太平洋沖地震が起きました。現地の方達は大変だと思います。

うちの事務所はやや古い鉄筋コンクリートの3階にあるのですが、僕は人生で初めて体験するクラスの揺れでした。3階でこれだけ揺れているなら、高い建物の上のほうはすごいのではないでしょうか。僕の自宅は10階建てマンションの9階なのですが、すごいことになっていそうで帰宅するのが少し怖いです。

無事だったからこそ落ち着いて思えることですが、今回の地震では情報伝達の手段としてネットが非常に有効活用されており、かなり感心しました。今までは有事の際にはみんなが携帯電話に集中してしまって、誰もがお互いに連絡が取れない状況になってしまうことも多かったと思いますが、今回はネットを通してお互いに連絡を取り合い、早い時期に安否を確認することができた方も多かったのではないでしょうか。少なくとも弊社はそうでした。

特に今回twitterの安定っぷりは見事でした。みんな素早く色々なことをツイートして、有用な情報はお互いが補い合いながら適宜拡散RTし、今がどのような状況なのかを以前に比べてずいぶん早く、的確に知ることができたようにおもいます。自分たちが無事であることも、遠く離れた土地が大変であることも、それなりのリアリティを持って、早い段階で知ることができました。

ニュースや気象庁の発表を待ったりするまでもなく、現地の人がリアルタイムに発信した情報を、ほぼタイムラグ無く得ることができるtwitterは、これまでで最高の情報伝達ツールになり得ているのではないでしょうか。情報は生きるために必要で、ネットはそのためのライフラインとして完全に不可欠のものとなりつつありますね。すごい世の中になってきた、と感じます。

ところが一方で、twitterやfacebookで情報を得られるかどうかというのが、段々と情報格差へとつながり始めているようにも思います。携帯電話のみしか連絡手段が無い方たちは、いまだに連絡が付かず安否確認が取れていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、twitterに関しては良いツイートだけでなく、悪いツイートもRTされて、誤情報やデマが伝播してしまうのを避けられません。僕が見たものだと情報がやや錯綜している中、怪我して閉じ込められたとふざけてつぶやいた人を大勢が心配してRTしていたら、本人が別アカでネタであることを明かして悪態を付いたりなど、モラルのない人間の存在を回避する手段はやはりありません。

最近ではそれらのノイズのようなものをなるべく回避できるよう、また、情報を効率的に収集できるように、キュレーションサービスも注目されてきていますが、それさえ、そのキュレーターのさじ加減ひとつで扱われる情報の質や属性が大きく変わってしまうという危険性をはらんでいます。

簡単に得られる情報量は以前よりもずっと多いですが、同時にその真贋を見極めて取捨選択することが非常に重要になってきています。テレビから発信されている情報は全て本当でありがたい情報だと民衆が盲信していた時代があり、インターネットに関してもややその傾向がありましたがそれもきっとそろそろ過去のものとなってきて、洪水のような情報の渦の中で、きちんと自分で判断しないとまともな情報さえ得られない時代がそろそろ来そうです。

今、ソーシャルネット社会がすごく注目されているのはきっとそういう背景もあるんだと思います。信頼できる人が言う情報はきっと信頼できる。そこで情報を見極める労力を軽減できますものね。すごく大雑把に言えば、友達が多い人はより質のよい情報を容易に得ることができるので、得をし易い時代になっていってるのだと思います。

僕のような内省的な人間には辛い時代になりました。そんな人間も静かに生きていけるような社会になっていけばいいなと思いつつ、ウェブサービスという点からその一助となるよう関わっていければと思っています。

完全に随筆で終わってしまいました。社長すみません…

一応有用情報をちらほらと載せて終りにします。

Person Finder: 2011 日本地震

避難場所のGooglemapまとめ

あと、仙台市にお住まいの、敬愛する作家である伊坂幸太郎さんは無事とのこと。安心しました。