WP-D Week 6日目 色々

WP-D Week6日目はウェブ全般について5時限に分けてのディスカッション祭りでした。

どれも正確に理解できたかはわからないので、自分がメモってた内容を以下五月雨式に。

ディレクションについて

打合せでは先方も最初は緊張している。
なるべくにこにこして、雰囲気をよくするように努める。

営業の方の言葉の選び方について
意思が伝わる言葉を選ぶ
カタカナ言葉は伝わりにくい(コンバージョン、セッション、PVなど)
ECサイトは小売りの延長で、それなりの売上のあるサイトでも、中の人のリテラシーは高くないことがある。
向こうとしてはこちらを頼りたいのに、窓口として立ってくれてる方とも意思疎通ができないと、
「どうしよう!」ってなる。
向こうの言葉に置き換えて喋る

顧客は常に不安

なにか不明点が合った場合には
「皆さんがそこでお困りです
ですから我々のような仕事があるんです」
と言った感じで、顧客から信頼して相談してもらえるように導く。

顧客が何をしてほしいか、を汲み取る

クライアントの立場と要求によってコミュニケーションの仕方は変わる。

スペシャリストかゼネラリストか

専門部署がある場合にはスペシャリストを求めている。
スペシャリストを求めている場合に、手広くやれる感を売りにされると失望する(顧客側ディレクターの意見)

専門部署がない場合はゼネラリストが求められる。

その場合の求められる人材は対極に位置する。

気合と根拠は違う。

依頼者が依頼の方向性自体を確認したい場合もある。
判断として「意気込み」を聞いてるのではなく、根拠に基づく判断を聴きたい場合がある。
できないならできないという根拠になる言葉がほしい。
「フルスクラッチすればなんでもできますから」というセリフは論外。
無限にコストと時間があればだいたいなんでもできるのはみんなわかってるので、
妥当なところをちゃんと提案してほしい。

できないと答えたけど実際にはできた、なんてことはある。
どんなことにでも、なんらかのできる可能性は常に残る。
そういった可能性を視野に入れて、目先を変えた案をご提案すべき。

できないことをちゃんとできないと言えば結構信頼度上がる。
こつこつと関係性を積み上げていくのは大事

クライアントとしても長く付き合っていける会社を探すもの。
クリエイティブがすごいものを作っていても、先々コミュニケーションをちゃんと取れるか、のほうが選択基準としては優先度高い。

クライアントたちも、自分たちの側にもちゃんとわかってる人間がいないとダメって気づき始めてる。
仲いいだけの関係だと、コスパのいい会社が見つかったら普通に乗り換えられる。
毎週御用聞きに伺います、なんてのは基本的に意味がない。

無茶を言ってる自覚が無い顧客
→理解してもらおう

無茶を言ってる自覚がある顧客
→対価が伴わず意義も無い場合は関係性を断つ選択肢も

クライアント側の上流からの「もうちょっと絞れるか…」というお達し。
小売業から始まってる組織は、「結局最後は人間力」と思ってるふしがある。

顧客が求めているのは体験である。真意を汲んで適切なご提案を。

慮り力
推し量り力
が大事

CMSについて

CMSに関わる構造に変化が起こっている。
これまでは運用者と制作者が作ったものを利用者が使うという構造だった。

現在は、利用者と運用者をつなぐものとなり、制作者は蚊帳の外になってきている。

現在のサイト利用者の割合。
検索からの割合は激減、ほぼほぼSNSからになっているのではないか。

今回のこのイベントに、検索からたどり着いた人→会場0
なんらかのSNSから情報を得ての参加の人→会場100%

CMSがコンテンツストラテジーを意識した作りである必要性。
コンテンツストラテジストという職業の誕生
コンテンツストラテジストに響くCMSをつくる必要性が出てきている。

構造的に
セマンティックに
見つけやすい
再利用
指定着
アダプティブ(適用、翻案)

インテリジェントコンテンツ
特定の情報をサイト内部で持つような形(ページは生成されない)
それを必要に応じて引っ張る

必ずしもサイトに表示する情報ということではなく、必要に応じて表示するための情報を内部で持っておくということ

アセットマネジメント
情報を部署や会社でまたぎで使えるようにデータを持つなど。

技能知識なしから、Web制作者へLevel Up!

こちらは、未経験者からウェブ制作者になるにはどうすればよいのか、既に業界で働いている方を進行役にして、働きたい人、働いてるけど家庭の事情などであまり積極的には動けていない人、数年前に転職して今ごりごりやっている人の3人をパネラーに、色々とディスカッションされました。

皆さん聞くと色々な過去があって、ウェブ業界でがっつりやってる人ってなんらかの経緯が無い人っていないんじゃないかと思えるくらいに皆さん経験豊富でした。

この枠はついつい聞き入ってしまってあまりメモとれてないんですが、記憶に残ってるフレーズとしては、

「『スキルアップするにはどうすればよいか』なんて質問する時点で、既にその人はスキルアップする気が薄いのではないか」

ってのがあります。

これは、スキルアップをどうすればよいか、というのは本当にスキルアップする気があるなら自然と見えるもんなんじゃないかとか、必要なスキルアップ自体個々によって違うのだし、そこを誰かに聞く時点でちょっと、みたいなニュアンスだったような気がします。

また、やる気さえあればどうにでもなるんだよ、な感じとか、要は踏み出すか否かじゃねえの?とかそういうニュアンスのことが語られていたように思います。

世の中には割と道筋をちゃんと示されないと歩けない人種というのが居て、僕も実は自分がそちら側だと思っているから割と立ち止まることは多いのですが、少なくともウェブ業界はそういう人種には向いていないと感じることは確かに多いです。

学ぶことによって仕事のクオリティは常に変わって、そのクオリティを担保するのは会社だったり個人だったりで、個人の場合は、それが受注率やリピート率、紹介率にダイレクトに響いてくるので、どうしたらスキルアップできるか、ではなく、何が自分に必要か常に考え、補完し続けることが必須のように思います。

会社の場合は至らないものを作った場合にいい会社なら上司が注意をしてくれるでしょうけど、そういう会社は少なめで、黙って評価を下げられることは多いような気がします。僕が前にいた会社はそれを本人に伝えること無く「あの子切ろうかと思ってるんだけどどう思う?」なんてその人の上司だった僕に相談されたこともありました。

まず動け、っていうのが、ウェブ業界で生き残る鉄則だと言えるかもしれません。

HTMLについてLevel Up!

html5のタグをどう使いこなすのか、また、それにリソース割くことに意味はあるのか、なんてことがテーマのセッションでした。

大抵はググれば出て来る情報であり、スピーカーたちも「まず仕様を読め」とおっしゃってました。

とはいえarticle、section、divの使い分けは皆が悩むところのようで、しかも文書構造の意図に沿った組み立てであるべきで、最終的には著者の意図に依存する、使い分けは書いた人に聞けなんてのが真実だったりするので、なんとも言いがたいところではあるようでした。

でも大抵は、こんな感じで組めばいいよ、というお話でした。

<article>
	<h1></h1>
	<section>
		<h2></h2>
		<p></p>
	</section>
	<section>
		<h2></h2>
		<p></p>
	</section>
</article>

html5がなぜ必要なのか、という点については、結局は

自分の発信したコンテンツがネットで正しく扱われるかをコントロールするために、適切なマークアップをすべき

という点に尽きるようで、例えばpocketが本文と認識してるのはどこか、とか、evernoteでウェブページを保存した際に正しく保存されるか、なんてのはhtml5で正しく構築されているかに依存しているとのこと。html5で書いておくと、他サービスなんかに汎用性を持たせることができる、というのが最大のメリットであるようです。

ここまでずっと脈々と流れている思想に、ウェブ上のコンテンツが全て情報として再利用できるべき、的なものがあるような気がします。それはたぶんこれからのウェブの潮流として不可避なもので、正しく流れていくために、html5で組むことは大切なことのようです。

他にマークアップで気をつけること

html5タグに直接CSS当てると、理解できないブラウザで機能しない場合がある。
要素に依存したセレクタはよくない。

html5とそれ以前用に別にタグを2回使って、cssはクラスのほうにあてる

<div class="article-header">
<header>

</header>
</div>

みたいな

正しくマークアップしようにも、コンテンツができてない状態で組まされることが多い問題。
divで組んどいて差し替えればいい。
ダミーテキストでもある程度文脈のようなものを読み取って組みなよ、的な。

WAI-ARIA
html5まででは不足しているセマンティック情報を追加する仕様。
そもそもアクセシビリティって必要なの?問題
別にいいじゃん的な思想でもこれまではそれほど問題なかったが、
差別解消法が整備されて、これからは少なくとも行政のサイトはアクセシビリティが仕上がってないとダメになってきた。

質問など

▼HTML5って作業量多くない?見積もりどうしてる?
divも言ってしまえばhtml5だし、すぐに無理する必要はない。
できるところから少しずつ始めて、スライドしていければいいんじゃないか。

▼記事一覧でarticle繰り返しはどうなのか?
本文が無いものをarticleにするのはどうかという見方はある。
一覧にはやはりリストが適してる。
→そうすると、シングルページを作ってそれを流用してループを作ろうとすると、articleをliに置き換えていく作業が発生するということ?
たしかにそれ自体はめんどくさいけど、元々意味と見た目を分離してると、装飾は楽なはず
この辺は議論が紛糾するところで、直接タグに装飾付いてるとそういうとき困るから、ちゃんとしとこうよ、というお話

Web制作に携わる人としてのLevel Up!

ここは、WP-Dに関わる制作者が大勢登壇して、テーマに応じてパラパラと語ってました。
メモったことを散文的にまとめます。

見積もりを細かく出すと削られる際に下がりにくくなる
まとめて出すと一括して値切られる

そこで通らないような相手は切ったほうが良い

ウェブの仕事の在り方として、人を管理する立場になって沢山の人を管理するか、沢山の技術を身につけて制作する側になるかどちらかである。

ディレクターであったとしても自分ができないことは提案できない。

言語
プログラム言語に少しでも携わるなら、phpを筆頭に、node rubyのどちらかは必ず憶えたほうがいい。そうしないと生き残れない時代が必ず来る。

オムニチャネル
店舗の販売チャンネルのデータ統合

MVCモデルの言語を、どれか一個でいいから覚えれば、他もなんとなくわかるようになる。

SEOきかなくなってる。

雑感

結局今週割と暇だったので、全部行くことができました。

LT目当てで懇親会も残ったのですが、会場に居た方と話がはずんでLTを聞き逃すというとても残念なことをしました。あれどこかで見たいけど、どこかにアップされないだろうか。

こういう機会があると、自分のスキルがどれだけ足りないか思い知らされます。それでも目先の仕事は何の問題もなく回るのでついついスキルの充実なんてのは先延ばしにしてしまいがちなんですけど、ときどきこうやって自分がどれだけ出来ない人間であるかを自分に戒めて、少しずつでもボトムアップしていけたらいいなと思います。

色んな意味で、大変勉強になりました。