昨年辺りから、いわゆる勉強会にちょこちょこ参加しています。
もともとそういうのってほとんど参加したことがなくて、ネットに転がってる情報をもとに全て独学でやっていたんですが、それだと自分の興味が向いたりとか、仕事で必要になったことしか調べなくてどうしても偏ってしまうし、検索上位の記事でも書いてある事の信ぴょう性は疑うべきものもあることなどに気づいて、どうしようかと悩んでいた時期に、知人のエンジニアから「せっかく東京住んでるんだからもっと勉強会いけばいいのに」と言われました。
そこで色々と調べてみて、東京ではおびただしい数の勉強会という名の集会が常にあちこちで開催されていて、その気になれば毎日何かに参加することが可能なくらいだというのを初めて知りました。しかもほとんどが無料か、会場がコワーキングスペースなどの場合にはその使用料とか、セミナー後の懇親会の参加料とかその程度。
それならとりあえず参加してみるか、なんてノリで、とりあえず幾つかのイベント周知サイトに登録して吟味して、自分の興味ある分野のものにぼちぼち行くようになりました。
勉強会と言ってもセッションを聞くだけのものや参加して手を動かすものなど様々で、取り上げられる内容とか技術レベルも色々です。当然全ての内容を吸収できるわけでもなかったり、参加してみたら思っていたものと微妙にずれてたりすることもありますが、でも参加するだけでも、なんらかの成果というか効果を生んでいるような気が最近やっとしてきました。
僕は一人で仕事をやりたくてフリーランスになったという側面があったので、(会社が嫌になって飛び出したら、その後どこの誰も拾ってくれなかったからという面もありますが)自然と常に一人で判断して、一人で動いて、ということが多くなって、そんな狭い視野でずっと動いていることが危ないとわかってても、もうしょうがないと半ば諦めていたのですが、なんとなくそうやって外に意識を向けている状態があるだけでも、何かが違ってきた気がしています。
社会とつながっているという感覚、というと大げさですしちょっと意識高い系の匂いがして言葉が鈍りますが、とりあえず間口というかとっかかりが無いと関係自体が生まれないので、そこを閉ざしていると、もうずっと全てを一人で抱え込むしかなくなってしまうのだと思います。自分的には、少しですがそこが解れてきた感覚があります。
黙ってても人がほっとかない天才だとか、器量良しだとか、親が偉いとか、金持ちとか、そういう属性を持っていればまた違う人生になるのだと思うのですが、特別なものを何も持たない普通の人間にとっては、社会は一人で生きていられるものでもなくて、少しでもいいから外に向けて間口が開いているという事実はすごく重要なのだと思い知らされた感があります。
先日、とある技術について仕事のパートナーと話してて「そういうのってどこで憶えてくるんですか?」って聞かれて、考えてみると参加した勉強会でこれ便利だよって紹介されていたものを試してみたらほんとに便利だったからそれ以来愛用している技術でした。
それ自体は業界ではとっくに標準化している技術で、それを知らなくても仕事はできるし別に問題無いけど、知ってたら仕事の効率が割と上がって、クオリティも、少し上がるようなもの。それは、僕がずっと一人でやっていたらたぶんもうしばらく知ることはできなかったものなのかもという気がしています。
たまに主催をしている方と話をすると、有料のセミナーはともかく、無料の勉強会は参加者にとって「教えて貰う場」ではなく、「一緒に学んだりスキルアップしていく場」でありたい、参加者にそういう姿勢であってほしいと考えている方が多いようです。いわゆる「クレクレ」感が強い人はちょっと…っていう話をよく聞きます。
それはちょっと耳が痛くて、僕もなにかを吸収できればと思って通ってしまっています。そこは申し訳ないな、と感じます。その姿勢次第で確かに学びの質も違ってくるし、なにより無料で場を整えてくださってる方々に何か返さないと、と最近思うようになりました。そういう思いもあって少し前にとある勉強会のLTのお声がけに応えてみたのですが、やってみて、自分はその器ではないかなと思ってしまったので、違うやり方でなにか貢献できればと思います。
あと最近気づいたのですが、何かを学んで持って帰ろうという意識の強い方ほど、懇親会に出ない傾向があるような気がします。勉強会の場で一番活発に質問しまくってるように見える方が懇親会には出ていないことは多いように見えます。なぜだろうと考えたんですが、懇親会を、何かを吸収する場ではなく普通に慰労の場であるとか、お付き合いを広げる場として捉えて、自分にはそれは必要ない!と思っているのかもなあと思います。
かく言う僕も人見知りで自然と人と話すことが苦手なので懇親会は苦手です。飲み会を悠々と泳いで回るタイプの人は尊敬しちゃいます。でも、頑張って出てみると得られるものが意外と多いことに驚きます。話のジャンルとして「雑談」枠にはいってしまうからセッションやLTなどでは出てこないけど、でもすごくためになる面白い話、なんてのは懇親会の場でしか出てこないことは多いように思います。
また、人物的に興味がある人とちゃんと「話」をできるのは懇親会の場だけかなという気もします。色々と技術的な交流があるとか、仕事を一緒にするとか、その全ては相手が人なので、結局は「誰と」それをするかがとても重要で、そういう判断をできる場でもあると思いますので、懇親会も含めて勉強会である、という考え方がすごく重要なのかもしれないなあ、と最近は思っています。
とは言え、人見知りな上に酒も飲めない自分にとって懇親会のハードルはやはり少々高くて、今後も積極的に参加とはいかないかなあ…と薄々思っていはいますが…そこはぼちぼち、自分との戦いになっていくだろうなと思っています。