LTのこと

先日、いつも参加している勉強会でLTをしてきました。

つい最近まで僕はその言葉自体知らなかったのですが、LTとはLightning Talkの略で通常は5分以内くらいで行うプレゼンテーションのことを指すみたいで、僕の参加してる勉強会では10分程度で話すセッションをそう位置づけているようです。

成り行き上やることになったものの、本来大勢の人の前に出て話せるような経験もスキルも無いし、また10分という微妙な時間が僕のようなLT初心者には微妙に長くも短くもあり、結構事前準備に手こずりました。

話したいことを決めて、話すときになにか映しとかないとまずいよね的な申し訳程度のスライドを用意して、アドリブは効かないタイプだからきっちり原稿も書いて、声に出して練習してみたら、30分を超えました。おかしい。

そこから削りに削ってなんとか10分30秒くらいまで絞って当日を迎え、主催者の方に多少過ぎてもよいかと確認をして多少ならよいとのことですのでそのまま挑んで、結局タイマーなんてちらりとも見ずに勢いで喋りきって逃げるように壇上を降り、一安心。といった感じの初LTとなりました。

そして、思ったことがいくつか。

1.スライド適当に作っちゃダメ

話すことの補助的な情報(今何について話してますよ、話してることを簡単な図にするとこうですよ)程度あればいいかと思って作ったスライドは、どうやら資料として収めて事後に皆さんが見れる状態にするようで、まず事前にURLを共有してくださいとの打診があって慌ててスライドシェアのアカウントを作ってアップしてほっとしたのもつかの間、終わってからもそのURLを何人かの方に聞かれました。

えっ、見るの?あれを?いや、見てもしょうがなくない?アレだけ見ても何の勉強にもならなくない?という申し訳ない気持ちでいっぱいに。

喋るのは10分でも資料をきっちり作りこんで、「あとでスライド共有するんで詳しくはそちらで見てください」という体で進めるのが正解だったのかもしれないです。

ともかく、素人感溢れるスライドがネットに半永久的に晒される恐怖を抱えて生きることになりました。

2.反応を期待しちゃダメ

話し終わってから、その場で何か質問とかご指摘とか受けるかなあと思っていたら、ほぼ皆無でした。

隣に座っていた方が恐らくお気遣いから二三ご質問していただいて少しお話しした程度。それ以外は本当にさっき僕は前に出て話ししたんだろうか、さっき話ししてた人が僕だったって憶えてる人はいるんだろうか、というくらいの温度感。僕は僕で昨日のエントリで書いたブログの達人に話を根掘り葉掘り聞きまくっていて、LTほんとにやったんだっけ?っていう体たらくでした…。

でもそうやってずっと人と話していたから、確認したいこととかあったかもしれないのに話しかけづらくしてしまってたかもしれないと思いました。この日は所用で懇親会も出ずに帰ったから余計に機会を逃したかもしれません。

3.伝わると思っちゃダメ

その場での反応はほとんどありませんでしたが、その日のことをまとめていただいたものをいくつか目にする機会がありました。

それを見て正直思ったのが、誤解を恐れず言えば、話を受け取るポイントって人によって大きく違うんだなあ、ということ。

もちろんそれはまず伝える能力の低さに起因するので真っ先に僕自身の反省が必要なのですが、こちらの前提条件と受け取る側の前提条件は違うのだと思い知らされた感はやはりありました。歌ってみたの人が歌ってみたの人としてステージに立って歌ってみたら、なんだよ違う人じゃん、って言われるような、そんなズレのようなものは感じました。歌ってみたの人がステージに上がっちゃやはりダメなんでしょう。

もちろん、どんな喋りの達人でも万人に同じ理解を促すのは難しいのだとは思いますが、そういった自分が伝えようとしたことと、受け取られてしまった内容とのズレを飲み込みつつ、人に伝えることを繰り返していくモチベーションってどれほどなのか。繰り返し登壇している人のことをなんだか尊敬してしまいました。

僕はああいう場で発表していいレベルの人間ではないし、そういうことを積極的にやりたい人間でもないらしいと今更ながら確信を持ちましたので、もしまたお声がけいただいても次はちゃんとお断りするべきだなあと密かに心に誓いました。恐らく僕には向いていない。

でも色々感じた思いまで含めて諸々のこと全てが勉強になりましたので、やってみたのはとてもいい経験になったと思っています。

機会をくださった主催者の方々、ありがとうございました。